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日銀金融政策決定会合と無担保コール翌日物金利
 
国の経済が安定的に発展・成長していく事は、国民にとって非常に重要です。そして、その安定的、持続的な経済成長を目的として、各国の中央銀行は金融政策の舵取りを行っています。日本においてその役割を担っているのは日本銀行です。
 
■政策委員会と金融政策決定会合
 
 その金融政策が決定されている場が、日銀の政策委員会です。政策委員会は、金融政策決定における最高意思決定機関として位置付けられています。また、その独立性を維持する為に、金融政策会合への政府からの出席者は、議案提出権及び議決延期を求めることのみが認められており、議決権は有していません。政策委員会は日銀総裁、日銀副総裁(2名)、外部からの審議委員(6名)の計9名から構成されており、全員、国会の同意を得て内閣が任命し、任期は5年とされています。(再任可) そして、金融政策を審議する会議=金融政策決定会合は毎月1〜2回、1日または2日間かけて開催され、集中的な審議が行われます。会合終了後には、金融政策についてアナウンスメントされる事となっています。
 
■無担保コール翌日物金利
 
 2006年3月に日銀は5年間続いた量的緩和政策の解除を行い、金融政策の操作目標を無担保コール翌日物金利に変更しました。無担保コール翌日物金利とは、金融機関が日々の資金繰りのために資金の貸し借りをするコール市場で取引される金利の1つです。預かりの多い(預貯金>貸出金)金融機関はコール市場で資金の出し手となり、融資やローンの多い(貸出金>預貯金)金融機関が資金の取り手となるのが一般的で、その金額の大小や出し手、取り手の数によって取引される金利は、日々刻々と変化します。資金需要の強さに応じて金利が上下し、これが金融機関の融資、預金金利にも影響を及ぼす事となります。
 
■日銀の金融調節とは
 

 日銀の意に反してインフレが進んだ場合(またはインフレのペースが速い場合)、日銀は、金融引締め(利上げ)を行い経済活動のスピードを調節します。(デフレの場合はその逆となります。) 例えば日銀が金利を上昇させると、資金調達コストの高まりから企業は設備投資に慎重になったり、個人はローン金利の高まりから住宅購入を見合わせたり、経済活動のスピードが低下し物価上昇に歯止めがかかります。(=インフレ抑制) 逆に経済成長が後退してきた場合は、金利を引き下げる事で資金調達コストの低下を促し、購買意欲を高める事で経済活動を活性化することとなります。では、日銀は金利の調節をどのように行うかと言うと、コール市場から資金を吸収したり、供給したりすることで調節を行っています。資金を吸収すれば、当然コール市場は資金不足となり、資金の取り手は高い金利を提示して調達を進めるため、金利は上昇します。逆に資金を供給すれば、金利は低下する事となります。

 
■公開市場操作(オペレーション)
 

 日銀は、この金利の調節をいくつかの手段で行っています。これらを公開市場操作と呼びますが、資金吸収の場合は、『国債売り現先オペ』『手形売りオペ』などを行います。

 
『国債売り現先オペ(オペレーション)』は、日銀が金融機関に対して日銀の保有する国債を買い戻す条件をつけて売却を行う手法です。日銀が金融機関から売却代金として資金を吸収するため、市場の資金が減少し、市場金利の上昇を促す事となります。
『手形売りオペ(オペレーション)』は、日銀が振出人・受取人・支払人を兼ねる手形を金融機関に売却する事で資金の吸収を行う手法です。

 
一方、資金の供給手法には、『国債買い現先オペ』『国債買入れオペ』『CP買い現先オペ』などがあります。

 
『国債売り現先オペ(オペレーション)』は、日銀が金融機関の保有する国債を売り戻し条件付きで買い入れることで、資金を供給するものです。
『国債買入れオペ(オペレーション)』は、金融機関が保有する国債を買い入れる事で資金を供給します。
『CP買い現先オペ(オペレーション)』は、金融機関が保有するCP(社債)を売り戻し条件付きで買い入れる事で資金を供給する手法となります。
こちらは一般的に『買いオペ』と呼ばれ、国債やCPの購入代金を金融機関に支払う事で、間接的に市場へ資金を供給し、結果として市場金利の低下を促す事となります。

 
日銀は、これらの公開市場操作を日々行い、無担保コール翌日物金利の水準を適正なレベル(=安定的・持続的な経済成長が可能なレベル)に誘導しています。一般的に政策委員会で「0.25%利上げ」などと決定が下されると、無担保コール翌日物金利のレートが従来の水準から0.25%程度上昇するまで、市場から資金を吸収する事となります。従って、現在の日本の政策金利はあくまでも誘導目標であり、はっきりと決まった数値になるわけではありません。

 
■最近の動き
 

 本年10月に郵政民営化で発足する『ゆうちょ銀行』も「無担保コール翌日物市場」での資金運用に乗り出す予定とされています。現在の無担保コール翌日物市場の取引規模は1日当たり6〜7兆円で、農林中央金庫やメガバンクなどの巨大な金融機関でも1行あたりの取引額は数千億円の規模です。『ゆうちょ銀行』が参入すると、少なくとも数千億円、場合によると1兆円を上回る事も考えられます。資金の出し手である『ゆうちょ銀行』の参入で翌日物金利が急低下する可能性もあるため、日銀は、『ゆうちょ銀行』の動向を注意深く見守り、安定的な金利水準形成を行う必要に迫られる事になります。

 
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