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郵政三事業の民営化とは?

 

2003年4月1日に発足した日本郵政公社は中央省庁等の改革の一環として、郵政事業庁が国営の新たな公社として移行されたものです。
この改革に力を入れている小泉純一郎首相は2007年4月の郵政民営化に向け、来年1月召集の通常国会に法案を提出すると説明しました。
さて、郵便局の民営化で私たちの生活にどのような影響が出るのでしょうか。

郵政三事業とは?

日本郵政公社が提供しているの以下の三事業のことをいいます。

 

「郵便」「郵便貯金」=郵貯(ゆうちょ)と略されています。
「簡易保険」=簡保(かんぽ)と略されている生命保険です。

 

この、現在国営化されている三事業を民営化しようとすることを郵政三事業の民営化と呼んでいます。
民間企業で競合する業界は以下になります。
「郵便」⇔ 宅配業者
「郵便貯金」⇔ 銀行
「簡易保険」⇔ 生命保険会社

なぜ民営化するのか?

郵政貯金と簡易保険の資金量を含めると、3月末で約350兆円になり、世界1位の総資産を誇っています。それは、日本の個人金融資産全体の約4分の1を占めます。

国営企業が多くの個人資産を奪うと、民間企業の仕事は少なくなり(民業圧迫)、民間企業の経営が悪化します。
それがサービスの低下を引き起こし、例えば銀行であれば、貸し渋りや貸しはがしに繋がり、日本経済全体に悪影響を及ぼすことも考え得ます。

民営化でのメリットとは?

郵便貯金は税制面で優遇を受けているため、具体的には「法人税」「住民税」「固定資産税」「事業税」「印紙税」が免除されています。従って、この民営化が実現すると政府の税収が増えます。これが第一のメリットです。
又、民間企業は万が一の破綻時に備えて「預金保険機構」に保険料を支払っていますが、これも郵便貯金は「国が保証しているもの」ですから預金保険料を支払っていません。

 

逆に民営化後の郵便貯金はこれらの今まで受けてきた優遇措置がなくなるため、これをカバーする企業努力が必要になります。
既に、2001年4月から資金の自主運用をしなくてはいけなくなっています。それまでは財政投融資といって、郵便貯金で集めたお金を国(財務省)に貸し出し、国はそれを特殊法人に貸し出していました。郵便貯金は国から金利を貰って運用していたのです。

 

第二のメリットとしては、今まで郵便貯金の資金は主に国債や特殊法人に回ってきましたが、今後はIT産業のような成長分野に流れていく可能性が出てきます。

 

最後に民間企業と競争することによってサービスの向上や、料金の低下が期待できます。既に郵便事業が民営化されているオランダやドイツでは、郵便局が旅行代理店を経営したり、コンビニのように商品の販売を行なったりしています。

民営化で懸念されることは?

まず、過疎地の郵便局がなくなるのではという不安が聞かれます。
確かに、全国一律のサービス(ユニバーサルサービス)がなくなり、採算性が悪い地域の郵便局が閉鎖される、もしくは郵便料金が高くなってしまう可能性はあります。
しかし、全国どこでも郵便局よりも安く配達できると言っている民間宅配業者もあり、最近ではダイレクトメールの配達も一般的になっていますので、それほど問題にはならないでしょう。
次に、郵政三事業のライバルになる宅配業者・銀行・生命保険と競争条件が同じでなければ郵政公社の方が有利になり、民間の顧客を奪う可能性があります。

民営化に誰が反対するのか?

● ファミリー関連企業
郵便事業にはファミリー企業が深く関わっています。郵便関連施設の工事や管理会社、郵便物の回収、運搬業者等がそれにあたりますが、その関連企業は、郵政関係の天下りの受け皿になっていることがあります。

 

● 郵便局の職員
民営化されると現在の公務員という身分が保証されなくなり、経営の合理化からリストラの可能性も出てきます。

 

● 郵政族と呼ばれる議員
郵便局やその関連企業に勤めている人や家族からの票を基盤にしている議員の中には、選挙のために民営化反対を唱えている人もいます。

 

又、郵政関係族以外の役人の中にも、民営化で特殊法人に貸し出し資金が流れなくなり、天下り先の確保が困難になることを懸念して、同様に反対している場合もあるようです。

特定郵便局とは?

全国の郵便局の数は2004年8月末で24,690局になります。(最大手のコンビニで約1万店)その中で76.7%にあたる18,929局が特定郵便局と呼ばれています。
この特定郵便局の存在の背景には、郵便創業の1871年当時、国に郵便局網を築く財力がなかったため地元の名士や資産家に協力を求めた歴史があります。

 

こういう経緯から、郵便職員の採用では一般公募をせず、世襲制のケースもあります。また原則として不転勤で異動がありません。
又、多くは郵便局舎を局長が保有し、日本郵政公社に貸し付ける形になっています。今後はその制度も民営化の中で改革が進むことが予想されます。

 

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