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天然ガスとは?
天然ガスとは何か?その概要から価格変動要因、今後の見通しまで分かりやすく解説します

天然ガスとは?

大きな球体のタンクを港の近くなどで見かけたことはありませんか?あのタンクの中身は、液化天然ガス(LNG)と液化石油ガス(LPG)を混ぜた都市ガスなんです。天然ガスは、お湯を沸かしたり、電気を作るガスの源として私たちの日常に欠かせないものの一つとなります。2022年は特に、2月にロシアがウクライナに侵攻した後、ロシアから欧州への天然ガス供給が一部遮断されたことが価格高騰に繋がり、大きな問題となっています。

ここでは、

について簡単に分かりやすく解説します。

天然ガスとは何か?

天然ガスとは、原油や石炭と同じ化石燃料で、貴重なエネルギー資源の一つです。気の遠くなるような長い年月をかけ、地中深くに埋まった大昔の動植物などの死骸が地球の熱や圧力を受けてできるもので、科学が進歩している現代でも人の力では作り出せないものです。

また、天然ガスを燃やしたとき、地球温暖化の原因となる二酸化炭素や酸性雨の原因となる硫黄酸化物や窒素酸化物が排出される量は原油や石炭よりも少なく、一般的に地球にやさしいエネルギーとも言われています。

資源として利用できる石油や天然ガスが濃縮している地層を鉱床と言いますが、天然ガスの場合は地下に存在する環境によって、「水溶性ガス」、「構造性ガス」、「炭田ガス」、「石油系ガス」の4つのタイプに分けられ、「在来型ガス」として一括りにされることもあります。これまで採掘が困難で採算に合わないとされていたシェールガスなどは「非在来型ガス」と呼ばれます。

天然ガスはどこで採れるのか?

天然ガスは、原油と比べて地域的偏在が少なく、埋蔵場所は広い地域に分散しており、日本国内でも北海道から沖縄までの主な平野の多くに天然ガス鉱床が確認されています。
英国を代表する石油企業であるBritish Petroleum(略称BP)の統計「Statistical Review of World Energy 2022」によると、2021年の天然ガス生産量は、一位が米国で9,342億㎥、次いでロシアが7,017億㎥、イランが2,567億㎥、中国が2,092億㎥、カタールが1,770億㎥と続いています。

出典: BP Statistical Review of World Energy

世界の天然ガス確認埋蔵量(2020年末時点)は約6,642兆㎥で、国別では一位がロシアで約1,321兆㎥となっています。次いで、イランが約1,134兆㎥、カタールが約871兆㎥、トルクメニスタンが約480兆㎥、米国が約446兆㎥と続いています。

天然ガス価格の変動要因は?

天然ガスは、原油と同様に需要と供給のバランスが最大の価格決定要因となりますが、価格決定メカニズムの発展状況は大きく異なっています。液体である原油は、輸送が容易という特性から古くから貿易が発達しましたが、天然ガスは常態が気体であるため、地域間の国際的な貿易にあたっては、輸送方法や輸送コストが大きな問題でした。

天然ガスの貿易形態は、パイプラインによる気体での輸送、液化したLNGとして輸送する方法の2通りです。そして、パイプラインの輸送には敷設やコンプレッサーの設置など、LNGでの輸送でも液化プラント、専用の輸送船などが必要であり、原油と比べて巨額な投資が必要になります。

この巨額な投資を回収するため、これまでは長期的な売買契約を締結することにより、安定的に一定の量を確保してきました。しかし、その取引時点での需給の変化を価格に織り込めない問題があり、原油と比べて現物取引や先物市場の形成が遅れていました。ただ、近年ではインフラの整備・発展により、さまざまな価格変動要因で天然ガス価格が形成されるようになっていますので、以下に代表的なものを挙げます。

  1. ①天候要因
  2. ②景気動向
  3. ③地政学的リスク
  4. ④生産・輸送インフラの稼働状況
  5. ⑤海運市場の動向
  6. ⑥排出権価格
  7. ⑦欧州向けガス供給の状況

天然ガス価格の今後の動向を読むうえで、こうしたさまざまな価格変動要因を把握して変化を上手に捉えることが重要です。

出典: BP Statistical Review of World Energy
出典: CFTC(米商品先物取引委員会)

今後の見通しは?

天然ガス相場見通し

2022/09/26

今年の天然ガス価格は、世界的に乱高下しています。ロシアのウクライナ侵攻による欧州のエネルギー危機に加え、今年6月に米国のテキサス州の同国最大級の液化天然ガス(LNG)プラントで火災事故が発生し、フリーポートLNGを運営するフリーポートLNGデベロップメント(FLNG)が操業停止に陥っていることが要因です。

当初3週間程度と発表されていた稼働再開時期が2022年後半に後ろ倒しになり、稼働停止の長期化が懸念されていました。なお、FLNGは米国のLNG輸出の20%を担うため、再稼働の遅れは米国の輸出減少につながり、米国内向けのガス供給が増えることになるため、米国の天然ガス価格を押し下げることになります。一方、欧州の天然ガス価格は逆に上がることになります。

8月上旬に10ドルに迫りましたが、現在下落している要因は、10月の再稼働を目指していたFLNGが11月上旬から中旬に稼働を再開すると発表したことがきっかけです。こうした不透明な要因から、年内は乱高下する展開が続くことが見込まれます。

チャートでは、8月に9.976ドルを付けたあとは反転下落し、4週移動平均線に続き、26週移動平均線を下抜いてきています。RSI(9週)も下値余地があることを示唆しているため、今後は1年間の平均値とみられる52週移動平均線がポイントになってきそうです。52週線を割り込まずに切り返した場合は、これまでのボラティリティが高いながらも上昇トレンドが継続しそうです。一方、52週線をしっかりと下抜いてきた場合は、トレンドが下向きに転じやすくなりますので、注意が必要でしょう。

執筆者

佐藤りゅうじ氏

佐藤りゅうじ氏
エイチスクエア株式会社 代表取締役社長
1993年米大卒業後、マーケティング会社を経て、金融・投資全般の情報ベンダー、株式会社ゼネックス(後の株式会社オーバルネクスト)入社。マクロ経済分析をはじめ、為替、商品、株式市場のアナリストレポートの執筆、トレードに携わる。2010年より「エイチスクエア株式会社」を起業し、アナリストレポートなどを執筆。また、「FOREX NOTE 為替手帳」などの企画・出版を行う傍ら、投資関係のラジオ番組「ザ・マネー~月曜日」などにも出演している。個人トレーダー。国際テクニカルアナリスト連盟・認定テクニカルアナリスト。

佐藤りゅうじ氏サイト
https://forexnote.jp/